AKIRA KUNISHIGE
国重 晶 展 / Akira Kunishige 陶器
2008.9.27 [sat] - 10.5 [sun]
職業としての一手段でもなく、かといって趣味の範囲にも留まらず、国重さんにとって陶芸は、必要不可欠な日常事のようです。
20年程前自宅に窯を築き、ほとんどが独学で今に至っています。
ある時はお尻のオブジェやクリスマスツリー、そして、ある時はメッセージ性の強いアート作品など。
一方で,無数の穴を開けて削ぎ落としていこうとする技術ぎりぎりの、2006年サボア・ヴィーブルでの個展。そして今回出品される、華飾として土をくっつけていく作品表現など。
およそ一人のアーティストから生まれるには、作風という視点で、一見矛盾に満ちているかのように思われますが、ナイーブな彼女の一面を見る思いです。
異常なまでの読書好きな国重さんにとって、ショックを受けた感情を土で表現したくなり、制作のきっかけになることもあるそうです。
土と無心に対峙することが、彼女の自己表現のひとつになっているのでしょうか。
今回のテーマは“雨の音”
「個展作品用にと、神経をすり減らすような華飾の工程に時間を費やしている頃、毎日が雨。おもいっきり雨の音が打つ仕事場で、ふっと手慰みに作っていたのが雨の雫のカタチでした。気持ちが休まり、これでいってみようかと?」
雫のカタチの一輪挿し、雫の形をした器、雫が貼り付いた器、そして、苦労したトゲトゲが貼り付いた繊細な作品など。
今回は銀彩や色絵など、カラフルに華飾された作品も多く、今までとは違った国重さんの一面が楽しめそうです。
ストアコラムのカテゴリー『つくる・人』 ぜひご覧下さい
「川口晶」の名で女優として活動後、独学で陶芸家として発表を続ける作家。
昨年は母であり女優でもあった故三益愛子のライフマスクを元にした
インスタレーションを展開して好評だったが、今年は意欲的なオブジェだけでなく、
クリスマスを前にしてアクセサリーなどの楽しめる作品も展示する。